観光局・観光協会のツイッター運用のコツ
- 2018/12/20
- 11:40
2018年12月にドイツ観光局の公式ツイッターアカウントのフォロワー数は7万に達し、運用開始から2年余りで在日政府観光局の中で最多となりました。1ツイート当たりの平均いいね数(月間)も、2018年8月にはすでに800を超え(懸賞付き・広告ツイートを除く)、在日政府観光局2位の韓国観光公社の約400を大きく上回っています。そこでその運用経験を踏まえ、観光局や観光協会のような公的観光振興機関がツイッターを運用する際の基本的なコツについて書きます。
1、画像の見た目が9割
ツイッターは文字メディアだと一般に考えられていますが、観光振興の目的で運用する場合に重要なのは画像で、その評価の9割を決めると言っても過言ではありません。したがって美しくインパクトがある画像、つまり絶景画像の配信が必須です。反対に以下のような画像は評価が低く、いいねが付きにくいです。
(1) 宣伝用バナー(文字入りの画像)
(2) 画像の小さいタイプのサムネイル画像
(3) 暗くてぼんやりとした夜景の画像
ツイートのテキストは、美しくインパクトがある画像の魅力を引き立てるスパイスのようなものだと思っています。つまり、まず画像ありき、です。美しくてインパクトのある画像が用意できないのであれば、観光イベントの告知等は諦めたほうがいいでしょう。
2、一目でどこか分かる観光名所の画像
観光局ツイッターの目的は、ユーザーに特定の観光地に足を運んでもらえるように関心喚起することですから、画像の4枚中1枚は、一目でどこか分かる観光名所の画像であることが望ましいです。反対に以下のような画像を単独で配信する場合、たとえいいねが沢山ついたとしても観光振興効果は低いと考えられます。
(1) 背景がどこか分からない人物の画像
(2) 食べ物やお土産などの物だけが写った画像
(3) ビーチなどのどこにでもありそうな風景画像
ツイッターでは4枚まで画像を投稿できるので、特定の人物や食べ物、お土産品などをテーマにしたい場合は、一目でどこか分かる観光名所の画像も一緒に投稿すればいいでしょう。例えばミュンヘンの新市庁舎と白ソーセージの画像を一緒に投稿すれば、たとえ一回もヨーロッパに行ったことのないユーザーであっても、白ソーセージという名物料理を食べられるのが、立派な市庁舎のあるミュンヘンという都市だということが一瞬で認識できます。観光ツイートで重要なのは、どのようなテーマであれ、特定の場所のイメージを想起させることなのです。
3、画像サイズは16:9か8:9
ツイッターの利用の約8割はスマートフォン経由なので、画像を投稿する際のサイズは、実際にスマートフォンで見られる際の最適サイズにトリミングする必要があります。その最適サイズは、以下の通り画像の投稿枚数によって異なります。
(1) 画像が1枚 16:9
(2) 画像が2枚 8:9、8:9
(3) 画像が3枚 8:9、16:9、16:9
(4) 画像が4枚 全て16:9
通常の写真のサイズは16:12ですので、PCでは綺麗に見えても、スマートフォンでは上下が自動的に省略されてしまい、どこなのか拡大しないとわからない場合が多いです。観光ツイートは一瞬で、綺麗、面白そう、行きたい!と思ってもらう必要があるので、わざわざ拡大しないとどこか分からないような画像サイズで投稿していてはその一瞬を捉えることが難しいでしょう。
4、画像の魅力を引き立てるテキスト
先に、ツイートのテキストは画像の魅力を引き立てるスパイスと書きましたが、だからと言って、記事タイトルだけ、ハッシュタグだけ、観光地名だけ、イベント情報だけの無味乾燥なテキストが画像の魅力を十分に引き立てられるとは言えないでしょう。観光ツイートのテキストは、添付画像の面白さや魅力を引き立て、その空間に行ってみたいと思わせるような内容でなければなりません。しかしだからと言って、あれもこれもと書ける文字スペースはありませんので、1ツイートにつき1テーマが理想です。つまりその画像に写り込んだただひとつの観光テーマの面白さを一言で言い表せられれば申し分ありません。それで字数が余れば、関連ページのURLやハッシュタグをつける、というぐらいがちょうどいいと思います。
5、ツイート内容の一貫性・統一性
観光局・協会のアカウントでは、一度、美しい画像だけを投稿すると決めたら、それを愚直に守ることが必要だと思います。その一貫した方針が、増加していくフォロワーの関心をつなぎとめていくのに決定的な意味を持っていると考えます。しかし言うは易く行うは難し。実際には、主催行事・イベント・キャンペーンの告知を行いたい場合に、適切で美しい画像が用意できないという事態は頻繁に起こります。そんな時は、イメージ画像でもいいので、テーマとなる観光地の美しい画像を投稿すべきだと思います。観光ツイートでは何よりも画像第一なのです。
ツイッターは観光局にとっても手軽に発信できますので、つい宣伝用バナーのような出来合いの画像や、ひどい時は文字だけ、リンクだけで発信してしまいがちです。しかしユーザーの目は時が経つほどに厳しくなっていきますので、公式アカウントがいい加減なツイートをすれば、すぐにアンフォローかミュートをして見るのを止めてしまうでしょう。このミュートという機能は厄介で、見かけ上はフォロワーが減りませんが、実質的にはリツイートされたツイートもそのユーザーには届かなくなりますので、アンフォロー以上に発信力が損なわれてしまうのです。
6、インスタグラムのように
スマートフォンの普及とともにユーザー数が増加し、人気が爆発したインスタグラムは、観光局・協会も注目しているところですが、インスタグラムを通じた観光振興もツイッターのそれも実は運用のコツはほとんど同じだと考えています。なによりも美しくてインパクトのある画像が第一で、テキストはそれを引き立てるスパイス、そしてホーム画面に現れる画像一覧の統一性が重要なのは、インスタグラムでもツイッターでも同じです。ツイッターには「タイムラインを汚す」という表現がありますが、観光局・協会のアカウントのホーム画面では反対に、常にタイムラインを綺麗にしておくべきで、美しい観光画像のないツイートは慎むべきです。誰でも簡単に発信できるツイッターだからこそ逆に投稿内容の質が厳しく問われるのです。
ドイツ観光局広報マネージャー 大畑悟
1、画像の見た目が9割
ツイッターは文字メディアだと一般に考えられていますが、観光振興の目的で運用する場合に重要なのは画像で、その評価の9割を決めると言っても過言ではありません。したがって美しくインパクトがある画像、つまり絶景画像の配信が必須です。反対に以下のような画像は評価が低く、いいねが付きにくいです。
(1) 宣伝用バナー(文字入りの画像)
(2) 画像の小さいタイプのサムネイル画像
(3) 暗くてぼんやりとした夜景の画像
ツイートのテキストは、美しくインパクトがある画像の魅力を引き立てるスパイスのようなものだと思っています。つまり、まず画像ありき、です。美しくてインパクトのある画像が用意できないのであれば、観光イベントの告知等は諦めたほうがいいでしょう。
2、一目でどこか分かる観光名所の画像
観光局ツイッターの目的は、ユーザーに特定の観光地に足を運んでもらえるように関心喚起することですから、画像の4枚中1枚は、一目でどこか分かる観光名所の画像であることが望ましいです。反対に以下のような画像を単独で配信する場合、たとえいいねが沢山ついたとしても観光振興効果は低いと考えられます。
(1) 背景がどこか分からない人物の画像
(2) 食べ物やお土産などの物だけが写った画像
(3) ビーチなどのどこにでもありそうな風景画像
ツイッターでは4枚まで画像を投稿できるので、特定の人物や食べ物、お土産品などをテーマにしたい場合は、一目でどこか分かる観光名所の画像も一緒に投稿すればいいでしょう。例えばミュンヘンの新市庁舎と白ソーセージの画像を一緒に投稿すれば、たとえ一回もヨーロッパに行ったことのないユーザーであっても、白ソーセージという名物料理を食べられるのが、立派な市庁舎のあるミュンヘンという都市だということが一瞬で認識できます。観光ツイートで重要なのは、どのようなテーマであれ、特定の場所のイメージを想起させることなのです。
3、画像サイズは16:9か8:9
ツイッターの利用の約8割はスマートフォン経由なので、画像を投稿する際のサイズは、実際にスマートフォンで見られる際の最適サイズにトリミングする必要があります。その最適サイズは、以下の通り画像の投稿枚数によって異なります。
(1) 画像が1枚 16:9
(2) 画像が2枚 8:9、8:9
(3) 画像が3枚 8:9、16:9、16:9
(4) 画像が4枚 全て16:9
通常の写真のサイズは16:12ですので、PCでは綺麗に見えても、スマートフォンでは上下が自動的に省略されてしまい、どこなのか拡大しないとわからない場合が多いです。観光ツイートは一瞬で、綺麗、面白そう、行きたい!と思ってもらう必要があるので、わざわざ拡大しないとどこか分からないような画像サイズで投稿していてはその一瞬を捉えることが難しいでしょう。
4、画像の魅力を引き立てるテキスト
先に、ツイートのテキストは画像の魅力を引き立てるスパイスと書きましたが、だからと言って、記事タイトルだけ、ハッシュタグだけ、観光地名だけ、イベント情報だけの無味乾燥なテキストが画像の魅力を十分に引き立てられるとは言えないでしょう。観光ツイートのテキストは、添付画像の面白さや魅力を引き立て、その空間に行ってみたいと思わせるような内容でなければなりません。しかしだからと言って、あれもこれもと書ける文字スペースはありませんので、1ツイートにつき1テーマが理想です。つまりその画像に写り込んだただひとつの観光テーマの面白さを一言で言い表せられれば申し分ありません。それで字数が余れば、関連ページのURLやハッシュタグをつける、というぐらいがちょうどいいと思います。
5、ツイート内容の一貫性・統一性
観光局・協会のアカウントでは、一度、美しい画像だけを投稿すると決めたら、それを愚直に守ることが必要だと思います。その一貫した方針が、増加していくフォロワーの関心をつなぎとめていくのに決定的な意味を持っていると考えます。しかし言うは易く行うは難し。実際には、主催行事・イベント・キャンペーンの告知を行いたい場合に、適切で美しい画像が用意できないという事態は頻繁に起こります。そんな時は、イメージ画像でもいいので、テーマとなる観光地の美しい画像を投稿すべきだと思います。観光ツイートでは何よりも画像第一なのです。
ツイッターは観光局にとっても手軽に発信できますので、つい宣伝用バナーのような出来合いの画像や、ひどい時は文字だけ、リンクだけで発信してしまいがちです。しかしユーザーの目は時が経つほどに厳しくなっていきますので、公式アカウントがいい加減なツイートをすれば、すぐにアンフォローかミュートをして見るのを止めてしまうでしょう。このミュートという機能は厄介で、見かけ上はフォロワーが減りませんが、実質的にはリツイートされたツイートもそのユーザーには届かなくなりますので、アンフォロー以上に発信力が損なわれてしまうのです。
6、インスタグラムのように
スマートフォンの普及とともにユーザー数が増加し、人気が爆発したインスタグラムは、観光局・協会も注目しているところですが、インスタグラムを通じた観光振興もツイッターのそれも実は運用のコツはほとんど同じだと考えています。なによりも美しくてインパクトのある画像が第一で、テキストはそれを引き立てるスパイス、そしてホーム画面に現れる画像一覧の統一性が重要なのは、インスタグラムでもツイッターでも同じです。ツイッターには「タイムラインを汚す」という表現がありますが、観光局・協会のアカウントのホーム画面では反対に、常にタイムラインを綺麗にしておくべきで、美しい観光画像のないツイートは慎むべきです。誰でも簡単に発信できるツイッターだからこそ逆に投稿内容の質が厳しく問われるのです。
ドイツ観光局広報マネージャー 大畑悟