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シュトリーツェルマルクトはなぜ最古のクリスマスマーケットと言われるのか?

最古のクリスマスマーケットと言われるドレスデンのシュトリーツェルマルクト。
最古と言われる根拠は、1434年10月19日にザクセン選帝侯フリードリヒ2世が「キリストの聖夜を含む毎週の休日に自由市の開催を認めた」ことにあるとされます。

ドレスデンのシュトリーツェルマルクト

でもクリスマスマーケットの初開催年の古さでいえば、ウィーンの1296年説、ミュンヘンの1310年説、バウツェンの1384年説、フランクフルトの1393年説があり、ドレスデンの1434年説を最古とするのはやや遅い気もしますね。
そうした諸説ある中で、あえてドレスデンのシュトリーツェルマルクトを最古とするのは、現在のクリスマスマーケットにつながる伝統が保持されているからなんです。
その伝統とは、ずばりマーケットの名称です!
シュトリーツェル(Striezel)とは、クリスマス菓子シュトレンの古語ですが、ドレスデンの歴史家Wozelさんによれば、すでに1500年頃には「シュトリーツェルの月曜日」という呼称が市場開催日として記されていたとか(典拠1)。
1296年開催のウィーンのマーケットの名称は「12月市」で、1310年開催のミュンヘンの市の名称は「ニコライ市」だったと言われていますが、現在のマーケットの名称はいずれもChristkindlmarkt(幼子キリスト市)で、名前が完全に違うものになっているんですね。
市場の名称の断絶は、市場開催の断絶を示唆していますから、現在のクリスマスマーケットにはつながっていないのではないかと考えられるのです。
これに対してドレスデンのシュトリーツェルマルクトは、「クリスマス菓子シュトレン市」という呼称を500年以上守り続けてきました。
クリスマスマーケットは元来、クリスマス用の菓子や肉を購入するための市民の市場であって、Christkindlmarkt(幼子キリスト市)というキリスト教的な名称は、近代以降に付け替えられたものなのです。

シュトレンフェスト

シュトリーツェルマルクトの主役があくまでシュトレンであることを強調するため、1994年からドレスデンシュトレン保護連盟が、クリスマスマーケット開催中にシュトレン祭りというパレードを行うようになりました。
クリスマスシュトレンは、かつて「キリストのパン」と呼ばれた象徴的なお菓子でした。本場ドイツのクリスマスマーケットでは必ずシュトレンを味わって、その伝統の源泉が、中世庶民の楽しみであるクリスマス菓子にあったことを思い起こしてください。

関連記事:クリスマスマーケットの起源は自由肉市だった

典拠1:Heidrun Wozel, Der Dresdner Striezelmarkt. Geschichte und Tradition des ältesten deutschen Weihnachtsmarktes. Husum Verlag, Husum 2009, S. 7.

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